Society5.0等対応カリキュラムの必要性
「安全安心社会構築のための人手不足と治安悪化」
わが国では様々な業界で人手不足が大きな問題となり、
警備関係業界でも顕著にこの傾向が表れてきております。私たちの社会生活における防犯・防災等の
安全安心の充実を担う為の警備業等の人手不足は、安全安心インフラの機能不全を招きかねず、
深刻な問題になろうとしております。
このような時代の中で、防犯・防災等でのAIやIoT等の活用に関わる
研究開発を徐々に進められております。
それに似合った最新技術の導入が進めば、警備業務等が効率化され人手不足に対応できるだけでなく、
質向上・対応力強化等の効果をも見込むことができ、期待はさらに大きく膨らみます。
これらを促進するには、AI等の最新技術を生活環境(治安悪化)に導入・活用し、
新しい時代の安全安心インフラ構築に貢献する人材が求められることになります。
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安全安心社会構築が社会に果たす役割
我が国の警備業は今日、日常生活の様々な場面に浸透し、防犯・防災等、人々の安全安心に貢献しています 。例えば昨今、社会情勢への不安から身近な生活環境の安全安心を求める声が高まっており、一般家庭のホームセキュリティの普及、教育施設・商業施設等の警備、災害時の避難誘導などを担うことで、市民の不安感の解消に大きな役割を果たしています。 また国際的なテロ情勢の緊迫化などを背景に、空港・発電所などの重要施設の保安管理を担うなど、警察・消防等の行政機構との連携のもと、公的業務の領域が拡大しております。 すなわち、警察機構・消防機構などの行政機関が社会の基本的な安全安心インフラの基盤を担っているとすれば、警備業はそのインフラの機能面・心理面の拡張・充実という重要な役割を担う産業であるといえます。
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安全安心社会構築における人手不足
警察庁が2017年9月~11月に行った民間の警備業者を対象とした人員確保に関する実態調査(回答485社)によると、「交通誘導」「雑踏」「空港保安」「施設」「巡回」の全ての警備業務*1において、77.5%以上の企業が人員について「大変不足している」「やや不足している」と回答しておられます。特に、工事現場における「交通誘導」警備では96.5%が、イベント等における「雑踏」警備では94.5%が人手不足と感じているという現状です。上述のような社会的役割を持つ警備業界等の人手不足は、安全安心インフラの機能不全を招きかねず、我々の社会生活における安全安心の基盤が揺らいでいることがわかります。
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安全安心社会構築に大きな影響を与える治安悪化要因の増大
社会構造の変化、国民の価値観や意識の変遷等から、従前の日本文化が持っていた犯罪や事故に対する抑止力が低下する要因などで、安全安心に影響を及ぼす治安悪化要因が増大しています。具体的には、警備されているはずの施設で発生する新たな類型の凶悪事件、急激な外国人の増加、安全であるはずの屋内や家庭内で多発するストーカー、DV、児童虐待、高齢者虐待等の人身安全事態やいじめの多発等が、特に体感治安の悪化に繋がっていることが挙げられます。また、毎年暴動行為とみられる行動がエスカレートする傾向のハロウインなどの大規模イベントでも、これまでの方法では安全を確保できない状況となってきました。 このような社会情勢から、市民の安全安心を求める声は一層高まり、警備業界へのニーズが加速的に増大する一方で、上記のように業界の人材不足は深刻化の一途であり、従来の産業構造では近く、警備業が担うべき安全安心インフラの維持が困難になることが想像されると思います。