安全安心社会構築教育協会

新しい時代における警備業務のあり方

新しい時代の安全安心インフラの構築に資する取組み

人口減少時代における警備業務の在り方

警察庁のWebサイトで公開されている『人口減少時代における警備業務の在り方に関する報告書』でも、ICT、IoT、ロボット等の技術の活用による警備業務の生産性の向上について指摘されております。実際、一部の警備業者においては、生体認証技術、情報通信技術、ドローン等の様々な技術を活用した警備業務が行われており、中には、警備ロボットの研究開発を行っている事例やこれを実用化している事例も見受けられます。その一方で、多くの警備業者では、こうした取組みは進んでおらず、警備業者に対するアンケート調査では、警備業者は人手不足を実感しているものの、その対応策に関する回答は、「ICT、IoT、ロボット等の先進技術を導入した業務の高度化・効率化」は、極めて少数でした。また、警備業者がICT等の技術を活用していない理由は、「技術に関する知見がなく、導入の可否の判断が困難」が「導入に伴う当面のコスト高」を上回っておりました。

安全安心インフラのさらなる発展

このことから、多くの警備業者においてICT等の技術導入されていないのは、導入の実現性や導入した場合の具体的な成果を含めた、技術に関する情報の不足によって、技術導入のビジョンが明確にならないことが原因の一つと考えられます。警備業務の効率化・質的向上・対応力強化等に直結する最新技術の活用は、安全安心インフラをより発展させていくためにも加速されることが望ましいと思われます。今後、警備業におけるICT等の技術に関する需要を顕在化させるためには、まず、行政や業界団体・企業等の連携のもと、警備業者への情報提供等の支援をより活発に行うべきであります。これと並行して、安全安心と最新技術に関する知見を併せ持ち、警備業界において業務への最新技術適用を担う人材が育成・輩出されれば、技術導入のビジョンを明確化することができ、安全安心インフラのさらなる発展に繋がっていくものと創造いたします。  テロや凶悪犯罪の頻発により世界的に安全安心への関心が高まる中で開催される2020年東京オリンピックにおいて、警備業界が担う役割は大きく、これを一つの契機とし、安全安心大国の日本において、新しい時代の安全安心インフラの構築に資する取組みが求められることになります。